「使用目的に応じた効果的なアー写とは」

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デザイナーの観点から見る、良いアー写とは写りが良い写真ではなく「順応性があり扱い易いアー写」を指し、悪いアー写とはすでに加工をされた「使う条件が限られたアー写」を指します。

素材として預かることの多いアーティスト写真をデザイナーは「写真素材」として見ており、デザインに合わせてトリミングや人型の切り抜き、色補正など、ある程度の加工を加えることを前提のもとお預かりをします。


「良いアー写の条件とは」

素材として使われる良いアー写の条件とは、順応性があること。

デザイナーはもちろん、素材をあえてダサくやカッコ悪くは使いませんが、融通の利かない素材に対して、フォローできないことも多々あります。
切れている頭や腕を想像で足すことや、無くなってしまった色情報を生き返らせることは非常に難しいです。
合成や着色もできるので厳密い言えば不可能ではないですが、その作業を費やすには時間や作業的なコストを考えると、よほどのことではない限り仕方がないと判断しそのまま使用せざるを得ません。

逆に言うと、順応性のある素材に対しては良い画角や色味、補正などを行い、一番いい条件で使用することができます。


「よくある損をしがち?なアー写」
 

預かったアー写を「扱いにくいな」とデザイナーが感じる写真は=(イコール)他の写真と並べた時に、悪目立ちしてしまう効果的でない加工や色補正、切り抜きが既にされているものを指します。


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スマホが普及した最近では、スマホで撮った写真をアプリで加工(トリミングや色補正)した写真も多く、保存時にデータとしての画質も下がってしまいまうので、それを印刷物の宣材として流用する事は好ましくありません。

自身でトリミング済みのアー写を使用した場合、頭や手足が切れたり、余白を無くすために過度なアップをせざるを得なくなってしまうことがあります。


またスマホでの加工や保存、SNSからの二次利用、LINEでの写真のデータのやり取りは、著しく画質が下がっている場合があり、使用サイズによっては、ボヤけてしまいます。


 

「素材としての良いアー写のポイント」
 

フライヤーなどで使用するアー写を綺麗に見せるポイントがいくつかあります。


・バストアップで撮り余白を広く空ける

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主に素材で扱う場合は全身が入るように使うことは少なく、バストアップの切り抜きが多いため、全身写真を渡すことは避けましょう。

全身写真のピントと、バストアップ(顔にフォーカスをあてた写真)のピントは違うため、全身写真からバストアップを切り抜かれた場合、顔がボケて見える場合があります。


・手は顔や体付近にする

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手を大きく広げた場合や、ポーズを広く使ってしまった写真は全体の印象で良し悪しが決まっていることが多く、顔付近だけを切り抜かれた場合に、雰囲気やポーズが伝え切れず中途半端な写真になってしまうことが多いため、バストアップは切り抜きを想定して、顔に近い所でポーズをとると表情や写真映えがよくなります。


・アー写の原本は鮮やかな写真にしておく

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デザインソフトで色を扱う場合、彩度を落としたシリアスな印象やモノトーンなど、色味を減らす事は出来ても、少ない色味から実物のような鮮やかな色には戻す事が出来ません。

デザイン上、色味が鮮やかなまま使用される場合、1人だけ暗い印象や色の浅い写真、コントラストに違和感のある写真になってしまうので、素材として使う場合のアー写には過度な色補正は控えましょう。



「プロフィールやメインビジュアルとしての良いアー写」

上記まででいうアー写は「素材としてのアー写」のポイントで、加工や切り抜きが一概に良くないということではなく、使用用途に合わせた管理が大事です。
アー写を使うところに合わせて、数パターンを使い分けることで自分らしくも、また効果的にも使用することができます。

SNSのプロフィールや画像や写真がそのまま一枚で広報で使われる場合は、自由に加工し自分の見せたいイメージで構いません。
加工方法について、デザイナー的にはアプリは画質上あまりオススメしませんが、手軽にできるセルフプロディース方法として十分に活躍してくれるものもあります。


|まとめ

アー写の質は、 イベントの増加、イントラとしての商材、またSNSが普及した今だからこそ、セルフプロディースのアイテムとしても活躍できる場が増え、本来は重要さは増す一方だと思います。
ですが、その反面、パソコンで管理するしかなかった時代から、今はスマホのカメラやアプリの特化と手軽さで、デザイナー目線のアー写の管理方法など知識や情報はあまり知られていのが現状です。 

いわゆる素材で使う場合のアー写は、カメラマンなどから預かった写真を補正(肌の補正や多少のコントラストや色補正)する以外は、基本的に加工を行わないことで、一番良い状態でデザイン上で使用することができ、またデータの管理は画質の劣化の恐れのないパソコンですることをオススメします。

顔を見せるだけの素材から、良く見せるための商材としても、アー写の扱いのポイントを共有していければと思います。